待ちに待った夏休みがスタート。日に日に暑さが増していますね。「今年こそは河川や山、海、プールなどの涼しく遊べるスポットに行きたい!」なんて計画中のそこのママやパパ、ちょっと待ってください!水辺に出かける際の注意点、心得ていますか?
「ばっちり!」という方も「ちょっと心配かも…」という方も今一度、一緒に確認しておきましょう!
目次
・意外に多い!?水難事故の発生状況
・子どもの水難事故を防ぐための注意点
1.河川編
2.海編
3.プール編
・もしもわが子が溺れてしまったら?
・夏休みを満喫するために
・参考資料
意外に多い!?水難事故の発生状況
交通事故と比べ、普段あまり意識することの少ない「水難事故」ですが、実際の発生状況はどのくらいなのでしょうか。令和3年夏期(7~8月)における全国データを参考に見てみましょう。
全体 | 中学生以下の子ども | |
発生件数 | 451件 | 67件 |
水難者 | 565人 | 110人 |
うち死者・行方不明者 | 212人 | 16人 |
上記表で分かる通り、ニュースで見る以上に起きているのが現状。しかも水難者の約1/5が中学生以下の子どもという悲しい事実です。
また、死者・行方不明者の事故発生場所別で見てみると…
発生場所 | 全体 | 中学生以下の子ども |
海 | 94人 | 4人 |
河川 | 87人 | 9人 |
湖沼地 | 13人 | 2人 |
用水路 | 16人 | 1人 |
プール | 2人 | 0人 |
子どもが死亡・行方不明になる場合は、海ではなく河川での事故が1番多いということがわかりますね。他の水辺の事故でもありますが、遊んでいるうちに滑って転落したり、サンダルやボールを落としてしまい、拾おうとして溺れてしまうというケースが多いようです。
河川は速い流れのところやいきなり深くなっているところがあり、また淡水は海水に比べて浮力が少ないため、海と比べて溺れやすい環境であるとも言えます。
それを踏まえて、まずは河川での注意点から要チェックです!
子どもの水難事故を防ぐための注意点
1.川で遊ぶ時の注意点
➀天候の変化、河川の状況などをこまめにチェックする
上流で雨が降ると、一気に水位が上昇する場合があります。事前に天候の確認を行い、強風や落雷等の天候不良時、上流で雨が降っていて河川が増水する恐れがある場合には、近づかないようにしましょう。
②河原や中洲、川幅の狭いところは急な増水で水没するおそれがあるため注意する
①と関係してきますが、上流で大雨が降ると川幅の狭いところは急速に増水し、中洲は増水すると取り残されて岸に戻れなくなるため危険です。
③ライフジャケットを着用する
水面が穏やかそうに見えていても地形などの影響で流れが一定でないこともあります。急に深くなったり滑りやすいところもあるので、滑りにくい履き物を履いてライフジャケットを着用しましょう。
④子どもだけで遊ばせず、大人が必ず付き添い目を離さない
大人が必ず付き添い目を離さず見守ることが大切です。帽子やサンダルが流されるなどしても子どもに拾いに行かせないようにしましょう。
2.海で遊ぶ時の注意点
➀天候の変化、海の状況などをこまめにチェックする
天候の変化や風向き、波の高さ、潮の流れなどをこまめに確認しましょう。離岸流(岸から沖へ向かう海水の流れ)や逆潜流(波が海底の傾斜に沿って沖へと戻っていく流れ)の発生しやすい場所を把握し、近づかないようにしましょう。
➁指定された遊泳エリアで遊ぶ
ライフセーバーや監視員がいる指定された遊泳エリア内で遊びましょう。立入禁止エリアには絶対に入らないでください。
③釣りをしたりボートに乗る時は、安定性の高い履き物を履いてライフジャケットを着用する
ライフジャケットを正しく着用し、落下の恐れがあるため、堤防の縁から下をのぞき込まないようにしましょう。また、サンダルやスニーカーは滑りやすいため、靴底が凸凹していて摩擦力のある履き物を選びましょう。
④子どもだけで遊ばせず、大人が必ず付き添い目を離さない
いざという時、子どもの力だけでは及ばないことが多々あります。だからこそ、大人が必ず付き添い目を離さず見守ることが大切です。
3.プールで遊ぶ時の注意点
➀安全な入り方を守る
泳ぐ前のウォーミングアップや泳いだ後のクーリングダウンは忘れず行いましょう。いきなり飛び込むのはNGです。
➁係員の指示に従い、注意事項、禁止事項を守って遊ぶ
遊具を使用する際は、係員の指示に従い、注意事項、禁止事項をよく読んでから遊びましょう。遊具の下にもぐりこむと出られなくなったり、排水口が近くにある場合は吸い込まれる可能性があるのでとても危険です。
➂子どもの健康状態をチェックする
子どもは自身の体調の変化をうまく言葉で伝えられません。顔が青白い、震えているなど体調が優れなさそうな場合は、利用を控えましょう。
④子どもだけで遊ばせず、大人が必ず付き添い目を離さない
子どもは数センチの深さでも溺れる場合があります。そのため、たとえビニールプールのような小さなプールであっても大人が必ず付き添い見守ることが大切です。
もしもわが子が溺れてしまったら?
もしも遊んでいたわが子が溺れてしまったら?まずは冷静に以下の対処方法を思い出しましょう。
➀落ち着いて、まずは自分の安全を確保する
慌ててとっさに自ら水に入って救助するのは二次災害の可能性があり危険です。まずは落ち着いて自分の安全を確保したうえで、救助方法を考えましょう。
➁協力者をできるだけ集める
ライフセーバーや監視員、近くにいる遊泳客など、できるだけ多くの人に助けを求めます。誰もいない場合は緊急通報用電話番号の118番(海上保安庁)、110番(警察)、119番(消防)に救助を求めましょう。
➂身の回りの浮くものを投げ入れる
浮き輪、ペットボトル、クーラーボックスなど身の回りの浮くものを子どもの手の届く範囲に投げ入れます。また、棒や板切れ、ロープを使って引き上げるのも有効です。
④泳いで助けた場合は、体力を温存しながら岸まで戻る
なんとか泳いで子どものもとまで辿り着けた場合は、水の流れを確認してからゆっくり岸まで戻りましょう。急な流れのあるところでは流れに逆らうと体力を消耗するので要注意です。
⑤救助後は、応急手当をして速やかに医療機関へ搬送する
意識がなく呼吸が止まっているようなら救急隊員が来るまでの間、人工呼吸・心臓マッサージなどの救命措置を行います。
夏休みを満喫するために
夏休みのお出かけは子どもたちにとってワクワクの連続です。新しいモノやコトを見て、聞いて、触れながら豊かな感性を育み、成長できる絶好の機会。
だからこそ大人がより一層気を付けて万が一の事故を防ぎましょう。
次回は、入浴時の溺水について、注意点や対処方法についてご紹介します。
参考資料
警視庁 | 令和3年夏期における水難の概況 |
消費者庁 | もうすぐ夏本番!外出先での子どもの水の事故に御注意ください! |
神奈川県 | 外出先での子どもの水の事故にご注意ください! |
東京都福祉保健局 | プールに入るときの注意点 |